方向微分

多様体の基礎』を本格的に勉強する前に、一通り全部読んだわけだけど、その時に方向微分の定義がなるほど、というか、不思議な気がしたの思い出した。

多様体を考える主な目的は座標変換に対して不変な性質を調べることにある。ところがRmで考える曲線c(x1(t),...,xm(t))の普通の方向微分dc/dt=(dx1/dt,...,dxm/dt)はRmを一つの多様体として考えると、(局所)座標系(x1,...,xm)に依存していることになり、都合が悪い。そこで多様体Mで定義されたCs級関数f:M→Rを使って(曲線cに沿う)方向微分を定義する。ここで「アレっ!?」と思うわけ。「方向微分」といいながらベクトルじゃなくて実数なんだよね。これが後々ベクトル空間を生成して基底になるとか云々で「なるほど〜」に変わるんだな。まだフォーマルにはやってないけど。楽しいね、多様体って。一行読むのに何時間もかかったりしないから、合間合間を見て勉強できる。今日もチョコチョコとやっていた。今日はまだもう少し勉強しよう。

【追記】
方向微分が実数と書いたけど、これは正確ではなく、正しくはpの開近傍で定義されたCs写像を実数に写す写像である。つまり汎関数ってことかな。微分という「操作」を指す。