若干だが重要な修正

昨日のエントリで辞書式選好では「連続な」効用関数を導けない、と書いたがこれは誤りで、選好を実数へ写す関数である効用関数そのものを導けない。訂正して謝罪しますが賠償はしません(古っ)。

辞書式選好の場合、全ての無差別集合が一点集合になるから、その合併集合は元の集合と同じ。例えば2次元ユークリッド空間R2を財集合とすると、効用関数は存在するとすればR2からRへの全単射になる。ところがそのような写像集合論的に存在しない(はず)。ましてや順序関係を保存するような写像などあるはずもない。ただし、ここいらへんはもう少し考え、調べてみないと自信を持って云えない。

というわけで、効用関数の存在には選好の連続性が必要らしいことがわかってきた。これを仮定すると存在証明はかなり簡単になりそうな予感。

参考文献

  1. 集合・位相入門 松坂和夫
  2. 集合と位相 (数学シリーズ) 内田伏一
  3. ミクロ経済学 西村和雄
  4. Theory of Value: An Axiomatic Analysis of Economic Equilibrium (Cowles Foundation Monographs Series) Gerard Debreu

今後はなるべく参考文献を明示することにする。