接ベクトルと微分

接ベクトルは極めて抽象的な定義だ。幾何学的なイメージは曲面のある点に接する接平面なんだけど、それを数学的に表現しようとすると座標に依存してしまう。それを回避する方法が非常にまわりくどいし、抽象的。さらに、多様体から多様体への写像微分の定義がまた抽象的。これも同じ理由による。

多様体上の曲線の接ベクトルを、曲線の像の接ベクトルに対応させる操作を微分と定義する。まだ全然「?」。でもまあ慣れ慣れ。まわりくどいのにも大分慣れてきたし。

曲線の方向微分(とか接ベクトル)って具体的な座標を入れれば簡単なことだけど、座標無しで表現しようとすると面倒だ。でも、よく考えれば座標なんてものは図形に対してはあとからつけたもので、三角形は三角形で座標とは関係なく存在するわけで、接ベクトルとかもそういう幾何学的対象だと思えば比較的すんなり腑に落ちる。うんうん、なるほど多様体幾何学の基礎なわけだ。